うどん

夜

居酒屋バイトの時間

動画を見る時間

ネットサーフィンをする時間

お酒を飲む時間

あなたにはどんな夜があるだろう

ふと散歩に出かけてみた

踏切が開けたと同時に行き交う人

犬とジョギングする人

1人スマホ片手に歩き回る人

色んな人がいて、それぞれの時間があった

遠くでは

複数の高いバイクの音をバックに

パトカーのサイレンがメロディーを奏でていた

俺は存在している

そんな声が聞こえてくるようだった

なんだか自分が情けなくなるような気がした

自己主張もろくに出来ない現状

サイレンに囲まれた彼らのが

よっぽどか人間らしく生きていると思った

そんな彼らを羨ましく思う自分がいた

光がより輝くには

闇はより深くならなければならない

目立つ人が目立つためには

目立たない人がより大勢いなければならない

闇がなければ

光は輝くことが出来ない

人を蹴落とさなければ

自分は上にのし上がることが出来ない

のし上がることができるのは

のし上がられる人がいるから

けれども

どんなに素晴らしい人でも

必ず誰かの闇になっている

そうして他人を踏み踏まれされていく過程で

人は強くなる

今日もうどんが美味い。